初演から14年・映画化から7年の時を経て、
『極めてやわらかい道』が本多劇場にやってくる!
ゴミみたいな男たちの純粋で歪な恋の物語!
『極めてやわらかい道』は、2018年公開の池松壮亮主演映画『君が君で君だ』の原作としても知られている作品で、2011年ゴジゲン第11回公演として駅前劇場にて初演、2018年にゴジゲン第15回公演『君が君で君で君を君を君を』としてリブートもされている、松居大悟の渾身作です。
演出を務める川名幸宏は、これまで松居大悟の演出助手として『イヌの日』『アイスと雨音』『みみばしる』『Birdland』を共にしてきました。演出と演出助手という長年の師弟関係を通じて築かれた深い信頼により、今回『極めてやわらかい道』は川名幸宏に託されました。松居大悟の純粋さと狂気が混ざり合った独特の世界観を、繊細で重厚な作品づくりを得意とする川名幸宏の演出で描きます。
STORY
「気持ちって何や?こんな柔らかいものに名前なんてあるか?」
むかいの木造アパートの隙間から、十年間、姫を見守り続ける兵士たち。
ある来訪を境に、彼らの国が崩れていく―
彼らは変態じゃない。ほんの少し恋の仕方を知らないだけ。
ゴミみたいな男たちの純粋すぎて歪な恋の物語。
2025年3月 本多劇場
作:松居大悟
1985年、福岡県出身。劇団ゴジゲン主宰、全作品の作・演出を担う。2012年、『アフロ田中』で長編映画初監督。その後『私たちのハァハァ』、『アイスと雨音』、『くれなずめ』など発表。『ちょっと思い出しただけ』(22)で東京国際映画祭にて観客賞・スペシャルメンション受賞、日活ロマンポルノ50周年映画『手』でロッテルダム国際映画祭に正式出品するなど、枠に捉われない作風は国内外から評価が高い。テレビ東京系列「バイプレイヤーズ」シリーズを手掛けるほか、J-WAVE「JUMP OVER」ではナビゲーターを務める。最新作に『不死身ラヴァーズ』(24)。
【コメント】
「これを作ったら引退できる」
そう思いながら書いた作品が本作であり、いまだに引退もせずに縋りついている。
『極めてやわらかい道』は、愛が愛という言葉になる前の何かを信じた物語だ。
心も魂も道理も削ってボロボロになり、劇が終わった後、ゴジゲンは活動休止になった。
演劇をやるのも見るのも怖くなって逃げた果てで、
ゆっくり振り返ろうとした時に、そばにいてくれたのが川名くんだ。
川名くんは優しくて、熱くて、繊細で。
泣きそうなときは、気づいたら川名くんが先に泣いていて。
そんな川名くんが『極めてやわらかい道』をやりたいと言う。
なんで?やめて!川名くんが壊れちゃう!
そう思ったけど、川名くんは震えるような目で、まっすぐに前だけを見ていた。
僕は、川名くんが手掛けるこの作品を見たいと思った。
潤色・演出:川名幸宏
2012年、明治大学文学部卒。在学中の2011年に第8回明治大学シェクスピアプロジェクト『冬物語』で演出を担当。同プロジェクトを監修した横内謙介氏に師事。
2017年、第28回下北沢演劇祭「下北ウェーブ2018」に選出され、それを機に、自身の作品を創作する団体「東京夜光」を設立。全作品の作・演出を務め、2020年には「MITAKA“Next”Selection 21st」に選出され『BLACK OUT』を上演。2022年『悪魔と永遠』で本多劇場に進出する。
また、劇団外でも脚本、演出としての活動は多岐に渡り、2023年『俺たちのBANG!!~大劇場を占拠せよ~』では、新橋演舞場の作・演出を務める。
【コメント】
「あ、もう演劇やめるのかも」
そんな20代中盤に、僕は松居大悟に出会った。
当時、松居さんは演劇を再開して公演の助手を探していて、バイト生活の僕に白羽の矢がたった。
頂いた資料DVDに本作があり、身も心も削りすぎた果てに生まれた愛おしい世界に衝撃を受けた。その 興奮を伝えようとしたときの、松居さんの張り詰めた表情を今でも覚えている。言葉にはしないけど、その話だけはしてくれるなと。
以来、本作の話はタブーになった。どれだけ尽くし、壊れたかを周りから聞いた。
こんなにも全身全霊で創作する人が側にいて、生半可な気持ちでやめると言えないまま、僕は今も演劇を続けられている。だから松居さんは、命の恩人。
松居さんとやれる場をいただいて、一択しかなかった。8年の時を経て、出会った頃のタブーを破って思いを伝えた。
『極めてやわらかい道』をやりたい。
出演
鳥越裕貴、多和田任益、荒井敦史、長友郁真、灰塚宗史、長南洸生/永島敬三、本折最強さとし
会場:本多劇場
公演日程:2025年3月20日(木)〜30日(日)
2025年2月2日(日)10:00 チケット一般発売